円高が進み、10円の円高で数百億の利益がなくなってしまう大手メーカーを始め、
日本を代表する企業(輸出依存のメーカー)の収益が悪化してます。
当然、関連の企業の経営にも波及してくるので、
やはり全体として、史上最高の水準に近づきつつある為替レートの現状は、
好ましい状況じゃないかもしれませんね。
そんな中で、企業のIT投資は、どうなるのか?
どうなるのかというよりは、
これは、リーマンショック以降、明らかに激減している状況です。
会社の費用を投じて、ITにおカネをかけるわけですが、
企業のIT投資には、2つあると思います。
ひとつは、ネットショッピングサイトの構築や、
損保などにあるような、WEB契約(申込)システムのような、
そのシステムを入れることで、短期間に売上に直結するような効果を
得ようとするタイプ。
企業のホームページなども、ある意味この中に含まれるかもしれません。
一言でいうなら、外向けのIT投資。
もうひとつは、企業内で利用するためのシステム。
企業の基幹システム・・・企業の経営資源(生産、販売、購買、会計、人事など)
を全体として効率よく把握し、企業の意思決定に活かすようなもの・・・ERPとかいわれてます。
また、近々変わる会計制度(国際会計基準~IFRS)や、内部統制といった、
制度がらみの、やはり自社内のIT投資。
BIツールと呼ばれる、データベースの視覚化による意思決定(補助)システム。
営業支援システムなどもそうです。
企業運営の効率化を目指すシステム群。
一言でいうなら、内向けのIT投資。
どちらも、右肩上がりの時代は過ぎてしまった感があります。
ただ、もし、この不景気の中で、企業が投資するとしたら、
どちらのほうをより先に選択するか・・・
(IT投資に資金をまわす余裕があっての話ですが)
大手企業や中小企業。
会社の商売の形態、社長の判断等々。
千差万別ではあります。
が、最近の傾向として多いのは、外向け。
例をあげると、自社(メーカーだとして)・一次問屋・二次問屋・小売・消費者。
みたいな商売をしてきた会社が、
いっきに商流を短くする。
自社→消費者。
で、売上アップ(拡販)と、利益の一挙両得をはかる。
そのために、外向けのシステムを強化する。
なんだ、そんなの前からあるじゃん?!というなかれ。
たしかに、昔から、B(企業)toC(消費者)のビジネスモデルを目指す会社は
ありました。
しかし、この不景気になって、そうした流れが一気に加速していく。
そうしなければ生き残れない現実があるからかもしれません。
(TVでいかにショッピング番組が多くなったことか・・・お昼前、深夜、どのチャンネルも
判で押したように、そんな番組ばかりでしょ・・あれ、B to Cですから)
IT投資をどう活かすか?
どの分野にIT投資をするか、
景気の悪い中で、その判断は、まずます難しいものになってきてます。
IT投資を考える際に、必要なのは、「何をしたいか」を明確にして
「今、どんな技術で、どんなことができるのか」を知ることから始めなくてな
いけないと思います。
もし、ITへの投資なんて今までしたことがなく、
ホワイトボードで営業マンのスケジュールを管理しているような会社なら・・
いきなりIT云々は止めたほうがいいでしょう。
掲示板・グループウェア(携帯・PCで情報共有できるもの)などで、
肩慣らしをしてから始めたほうが無難かも。
外向け・内向けのシステムをIT化していくのに、
まずは社内で情報共有。
そこらへんからIT化しても遅くはないと思います。
余談ですが・・最近、ふと思った。
内向け・外向け、いろんな分野で最先端のシステムを導入して、
最後には、社長もコンピュータがやるってことになるのかな?
そんじょそこらの外資系会社よりもドラスティックな判断ができるかも??
営業・管理のイレギュラーな要素をある程度インプットしておいて・・・
(商法とかいっさい無視の話ですが)
人口知能(AI)と最新のシステムで、社長をコンピューターにさせるって
会社ができたら世界初だね。きっと。
経営判断のみを行わせるなら、誰か考えそう(笑)
って、そんな会社にはだれも入らないかな。
社長の給与ゼロで済むけど、システム維持費が高くつきそうだし・・・
これ以上書くと、SFになっちゃうんで。ここらへんで。
ちらっと、小説風に書くと・・・
「社長Xの献身」(どっかでみたタイトル?)
その会社の業績は他社を圧倒。
日本はもとより、欧米へも進出。
拡大の一途をたどるが、ある日、致命的な経営判断ミスを犯す。
株主総会にはダミーが出席。
実は、その会社の社員は、だれも社長の顔をみたことがなかった・・・
なんて、ビジネスサスペンスなんて小説どうでしょう?
コメントを残す